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Shigeon's Blog

ちょっと影が薄くなりつつあったが

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ちょっと影が薄くなりつつあったが

最近、ちょっと影が薄くなりつつあったが、やはりこの男を捨て置くわけには行かない。何と言っても主人公であるし、又物騒極まりない若者であるから、目を放している隙に何をしでかしているか分かったものじゃない。タゴロロームでは、クラトコ粛正の2日後、何とか第5連隊討伐の陣容を整えたが、その頃にはハンベエ達第5連隊もハナハナ山に到達していた。ハナハナ山に着いたハンベエは大急ぎで二つの事を命じた。一つはかつてハナハナ党が使用していた山塞を修復して、第5連隊が使用できるように手を入れさせる事であり、今一つは近隣の村々から食料を調達する事である。避孕藥タゴロロームから幾分かの食料は運んできたが、連隊規模で精々10日分である。現在の第5連隊は101人、実に連隊の30分の1以下の人数であり、彼等だけの食料であれば十分過ぎるほどの量であった。が、ハンベエは大いに新規隊員を募集し、最低でも以前の連隊規模に早急に戻すつもりであった。また、その一方でゴンザロの活動に期待を寄せる思いも有って、ひょっとしたら、タゴロロームからハンベエ達の側に寝返ってくる兵士もいるかも知れないと考えていた。そうなった場合、何と言っても食料だけは準備しておく必要がある。食料の調達――調達であって、徴発ではない。幸いにして、金はある。バンケルクから奪った金。汚い金でも綺麗に使ってやるぜ、とハンベエが言ったかどうかはさておき、四方の村に人を走らせて、食料を買い求めさせた。そうこうしているうちに、ハナハナ山の第5連隊の処に、タゴロロームからの逃亡兵が駆け込むように押し寄せて来た。曰く、「タゴロローム守備軍に愛想が尽きた。第5連隊に加えてくれ。」曰く、「味方するぜ。」曰く、「タゴロロームの連中イカレちまって、もう行き場が無い。仲間に入れてくれ。」えっ・・・とせとら、エトセトラ。逃亡兵の寝返り入隊志願を聞くと、ハンベエが飛んできた。ハンベエは四の五の言わなかった。良く来た。俺が第5連隊隊長ハンベエだ。入隊を歓迎する。」誰に対しても一つ覚えのセリフで、頼もしげに受け入れた。 自分自身は一つ覚えで通したが、その一方で、パーレル、ボルミスその他に命じて、入隊して来た脱走兵達から、ゴンザロの消息、タゴロローム守備軍の状況を聞いて回らせた。ちなみに、ドルバスとヘルデンは食料調達に出かけていた。ゴンザロの消息はすぐに知れた。バンケルク達司令部に捕らえられ、殺されたという。この情報については、どの脱走兵も同じ回答であり、最早疑うべくもない事実のようであった。ゴンザロ死亡の報せを聞いたハンベエは、ブスッと黙り込んでいた。予想し得た事であり、驚きはしなかった。最初出会った時の印象では、小狡くて、当てにできない、悪く世間ズレのした中年男であった。だが、アルハインド族との戦いから生きて戻ってからは、頼もしい謀略屋であった。この男の活躍により、どれだけ第5連隊が有利になったか分からない。ハンベエも後半はゴンザロの働きを認め、半ば頼みにもしていた。その死には、直接とは言えないまでも、俺も一片の責任がある、とハンベエは感じざるを得ない。だが、死んだ者に取れる責任などはない。ただ、思いを胸に抱いて生きていくのみである。一将功成りて万骨枯れる、という。戦争を指揮する者の栄光は全て、死んだ兵士の上に咲くものなのである。ハンベエはそのやりきれなさを噛みしめながら、無情たらんと心に決した。

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